これほどまでに淫らで歪んだ性質を持たずに生まれていたら、もっと男として、陽の当たる場所を真っ直ぐに歩む普通の人生があったのだろうか。長い女装生活の果てに、ふとそんな問いが頭をよぎることがある。それは、男と女、どちらに生を受ければ幸せだったのかという、答えのない迷路に迷い込むのと同じこと。今更、動かせない運命を呪ってみたところで何かが始まるわけでもない。大切なのは、いまこの瞬間を精一杯に愉しむこと。それ以外に私が私を救う道はないのだから。