震える唇に、毒のような情熱の紅を引く。女になれた...そう確信するのは、他人の目でも、ましてや客観的な美しさなどでもない。唇から伝わる粘膜の熱さ、引き立てのリップが放つ湿った艶、そして額を潔く断つ前髪の鋭い感触。鏡の中に浮かぶ自己満足という名の快楽が、私の身体を芯から支配していく。完璧など求めていない。ただ、このつかの間の「私」を、今は静かに抱きしめていたい。